ねじを巻け!!

いつか思い出すために記事を書いています。

Milesもトリマも削除した話

(Copilotで生成)

 

 ポイント乞食の活動の一環としてMilesやトリマを使用していましたが、一年ほど前にスマートフォンから削除しました。その経緯を残しておきます。結論からいえば、振り返ってみるとこれらがとんでもない時間の無駄であり、集中力を低下させ、心の健康に害があったからです。

 

 

1. なぜMiles・トリマ・クラシルをインストールしたのか

 Milesが日本でスマートフォンのアプリとしてサービスを開始したのは、2021年10月でした。今でこそ「XX活動」略して「X活」というように、いろいろな行動を指す言葉が広まりましたが、その頃はまだ「ポイ活」という言葉も普及していないころだったように思えます。

 「移動するだけでポイントを得られる」「移動方法によってポイント付与の係数が異なり、徒歩や自転車、鉄道など環境負荷の低いものほど係数が大きい」「ポイントの獲得に広告を閲覧する必要がない」といったことが他のサービスと異なる目玉として取り上げられていました。当時、同様のサービスとして有名なものは「トリマ」でした。移動のデータと広告閲覧を代価にポイントを得られるというサービスです。また、その後、「クラシル」というサービスも現れました。

 一つのスマートフォンに入れられるサービスに上限はないため、ものは試しということで筆者はMilesとトリマの二つをインストールして、ポイントをためていました。トリマとMilesとどちらを先に始めたかははっきり覚えていないのですが、ちょうどその時は毎日の移動距離が長かったため、ポイントやマイルをかなり効率的に集めていました。

 トリマは移動するごとにゲージがたまり、一定値を超えると30秒程度の(不快なものが多い)広告を見られるようになり、広告を見ることでポイントを獲得できる仕組みでした。ただゲージには上限があるため、移動距離が長い場合はゲージがすぐに満杯になりました。その場合は広告を見てたまったゲージ分を消化して、ゲージ残量を回復しなければ貯められません。超えた分が後から戻ってくるわけではないため、移動中に何度もアプリを開いて、見たくもない広告を閲覧し、ゲージを解放する作業が必要となりました。一日の最後にまとめて広告を消化することもできましたが、それだと一日で得られるポイント量に限りがありもったいないため、数分から数十分ごとにアプリを開いてはスマホを操作していたのです。

 いつごろからか、同じようなサービスで「クラシル」というものもあると知り、そちらも追加で導入しました。「クラシル」も「トリマ」と同様に移動でゲージが蓄積し、広告を閲覧してポイントを獲得するシステムです。また「ぴよクエ」というアプリもありました。こちらは一日の移動距離上限が約42km、また約3.3km移動するごとにゲージの消化が毎回必要で、あまり長い広告は表示されないものの一日に何度もアプリを開く必要がありました。これらを併せてインストールして使用していたため、移動中は二つのアプリを開いて常に広告を見続けている状態になりました。

  自分で自動車を運転しながら広告を見ていたわけではないため、道路交通法違反の心配はありません。またこれだけ広告(大抵は動画)を見ていると通信量がとんでもないことになりましたが、当時は楽天モバイルが新規登録で1年間無料キャンペーンを実施しており、その恩恵に与ったためその点のダメージはありませんでした。スマートフォンのバッテリーについても、買ったばかりの新品のスマートフォンで電池容量が6千mAh程度の大きいものを使用していたため、毎晩フル充電すれば翌日丸一日は問題なく使用できました。

 

2. 運営者と利用者の攻防、削がれる精神

 ポイント乞食をする利用者と運営者は常に攻防を繰り返してきました。利用者側としてはその殆どが利用者にとって不都合な改変であり、「改悪」と呼ばれるものです。

 最初は鳴り物入りで登場したMilesも、トリマも、私が数年使用している間にどんどん改悪されてゆきました。最初だけ大盤振る舞いで、すぐにしぼんでしまうというのは、Milesやトリマに限らずいつものことです。プロのポイント乞食たちはそれを覚悟で、ビッグウェーブには乗り遅れないよう常にアンテナを張って熾烈な席取り争いをしています。

 Milesが他と比べて「大変優れている」と思えたのは、本当に最初の数週間から数か月だけだったかと思います。リリース当初は貯めたポイントで、JR東日本のコンビニのNewDaysでお茶やお菓子に交換できました。リリースから数日で交換したため店員さんもクーポンを知らず、混乱していたことを覚えています。ほかにも少額のAmazonギフトカードを交換しました。

 Milesでいいものを交換できたのはそれぐらいです。Milesは当初は他のアプリと異なり、毎日アプリを開かなくてよい、広告も見なくてよいということを売りにしていたため、頻繁にアプリを開いてはいませんでした。そのためどのようにシステムが変更されていったか詳しく記憶していませんが、以下のようなことがありました。

  • JR東日本に関連したクーポンや引換券は二度と現れず、あるのはネットショップ(高級志向が多い)の1割引クーポン券など
  • Amazonギフトカードは抽選が殆どで、確実に数十円~数百円分獲得できるものは売り切れが続く
  • 有料会員制度が新たに設けられる
  • 一日のポイントを得られる移動の回数に上限が設けられる
  • 移動ごとにボタンを押して移動目的を入力するとポイント獲得量が増加するようになる

 一部は完全な改悪ではないですが、サービス開始当初から見ると様々な変更が加えられました。しかし制度変更にかかわらず、問題は筆者にとって交換したいと思えるものがないということでした。ネットショップのクーポンがあってもそのショップで買いたいものがなければ不要ですし、ギフトカードはなかなか交換できない。ポイントがあっても交換するものがないというのは困りました。JR東日本関連の特典は二度と現れません。

 

 トリマも改悪が続きました。一度の再生で得られるポイントが以前の6割に減ったこともありました。またある時から、くじ引きや広告を閲覧してポイント獲得をしていると、高い頻度で追加の広告が挟まれるようになりました。

 トリマでは、広告を閲覧するごとにポイントに加えてジェムのようなものも獲得でき、ジェムはくじ引きに使えるというシステムがありました。くじ引きではごくまれに当選してポイントがもらえましたが、その当選確率はとんでもなく低く、ポイントをもらえたとしても一回の当選で数円分にしかなりません。

 広告閲覧とポイント獲得の自動化も試みましたが、(当たり前ですが)困難でした。広告を視聴すると小さなバツ印が表示され、それを押すか、更にもう1ステップ5秒ほど広告を見せられたあと再度バツ印を押して、一連の広告が終了するシステムでしたが、広告によってバツ印の位置や出現するタイミングは異なっており、自動化は困難でした。自動化されると広告主としては無駄に費用を支払うことになるため、それを阻止するというのは当然です。

 

 「ぴよクエ」は一時期、何週間か全く移動距離を認識しない、アプリを開いても反応しなくなることがありました。

 「クラシル」は筆者が使用していた期間では大きな改悪は無かったように思いますが、不快な広告を見るという基本的なシステムはトリマと同じでした。

 

3. Milesのその後

 ろくなマイル交換先がないなかで、残されていたのは寄付の項目でした。日本赤十字や森林保全、動物福祉などいくつかの活動に、Milesでためたマイルを充てることができました。結局筆者は数回Amazonギフトカードを交換して、その後は全て寄付に充てることにしました。以前筆者が計算したところでは同じマイル数でも寄付に直接充てて各団体へ送られる金額よりも、Amazonギフトカードと交換する方が数円ほど多かったような記憶がありますが、とにかくたまったマイルは全て寄付に回しました。一回の寄付にも上限があり、現金に換算して数円から数十円分程度しかマイルを消費できなかったですが、何度も寄付をしていますので数百円程度にはなったかもしれません。

 ポイントによる寄付はいいものです。自分の財布は痛むことなく社会貢献できるのです。話が逸れますが、期間限定dポイントなど期限が迫っているが使う用のないポイントは、積極的に寄付に回しています。Milesは筆者にとって実質的に寄付専用アプリとなったのでした。

 何度かの改悪の後、Milesでもマイルが貯まりにくくなり、次第にアプリを開く回数が減りました。

 そんなある時、Milesからメールがありました。長期間アプリを開いていない場合には保有しているマイルは「メンテナンスマイル」の対象となり、「メンテナンスマイル」の状態が一定期間過ぎるとマイルが無効になるとのことです。

 どれどれと思って久しぶりにMilesを開いたところ、以前のように「何もしないでもマイルが貯まる」状態ではなくなっていました。かなり長い間マイルを寄付していませんでしたが、マイルはほとんど貯まっていませんでした。無料会員では毎回ボタンを押して移動を記録しなければならず、(また以前からそうですが)毎回の動作が非常にもっさりして重く、ストレスフルです。すでにこの時トリマやクラシルなど他のアプリの使用を止めていたこともあり、毎日こんな作業はやってられないということで、残っているマイルをすべて寄付に充てて、アプリは削除しました。もしかしたら長期間アプリを開いていなかったため端末の方で位置情報の利用を知らぬ間に制限していたためマイルが溜まっていなかった可能性もありますが、もうどうでもいいです。

 

4. ぴよクエのその後

 上述した、数週間にわたって移動を認識しないトラブルがありました。

 その際には運営から全くアナウンスがなく、大変腹立たしかったのを記憶しています。数週間後にいきなりまた移動が認識されるようになったはずですが、ここで呆れてしまい、それまでで貯まったポイントをすべてギフトカードに交換して、さっぱり使用をやめました。

 

5. トリマのその後

 トリマはとにかく改悪が多かったですが何とか我慢して使い続けてきました。しかしあるタイミングで目が覚めて、トリマも使わなくなりました。

 目が覚めたというのは、いい加減ばかばかしさに気づいたということです。トリマや他のサービスを合わせて、月間で1.5から2千円分のポイントを稼いでいたと思いますが、振り返ると耐えた苦痛に対してとんでもなく低い額でした。

 まず示される広告が非常に不快でした。気持ち悪いコンプレックス系広告や嘘ばっかりの広告、興味のないスマホゲームの広告、センスのない映像やなぜか解像度の低い広告を何度も見せられるのです。そのくせ広告のパターンには限りがあり、何度同じ広告を見たかわかりません。興味のない人に興味のないものを何度見せつけても広告費の無駄ですので、そういった意味で広告主にとってもこれはお金の無駄だと思います。上述したように広告閲覧後に表示される×ボタンは広告によって位置やタイミングも異なり、ずっと放置していてもポイントは獲得できないため、定期的に画面を見なければなりません。せっかく他方では可能な限り広告を見ないようにしているにもかかわらず、なぜトリマで広告をわざわざ見続けなければならないんでしょうか。

 また、トリマで広告を見る間に別の事はほとんどできません。広告閲覧中は本を読んだり別の事も出来ますが、携帯で他の操作はできません。また、仮に本を読んでいても30秒後には画面に目を落とし、小さな×ボタンを押さなければなりません。落ち着いて読書ができるはずもありません。

 それにまったく生産性がないのです。広告を見続けて何になるのでしょうか。英単語でも表示されればいいですがそういうわけでもありません。その時間で集中して本を読んだり新聞を読んだりできるはずでしたが、もう二度と戻ってきません。

 通信料金については楽天モバイルの無料期間終了後も別キャリアの使い放題プランを使用していたのであまり問題にはなりませんでした。また、電気代についてもスマホの充電による電気代は高々知れているので問題ありません。電池の劣化が早まりそうですが、筆者のスタンスとしては高級スマホを何年も使うよりは廉価グレードのスマホを電池の寿命が来るまで使いつぶす、という考えなのでこれもあまり問題ありません。

 しかし、不快な広告を見て不愉快になり、ネットワークの不調かなかなか広告が表示されないこともありイライラして、集中力は削がれ続け、失った時間は戻らない。まだ漫画を読んでいた方がましでした。とにかく、見たくない広告を見なければならないこと、そしてトリマによって集中力を継続的に削られることは、全く得られるポイントに釣り合いませんでした。ただ、「釣り合わない」ことに気付いて、やめる覚悟をするに至るまでにはかなり時間がかかりました。

 トリマを削除する決断に至ったのも、アプリの不調でした。移動ゲージが貯まり、広告を再生しようとしても、ずっと再生されなくなるトラブルがありました。これが数日以上続いて、運営の対応もいい加減だったため馬鹿馬鹿しくなり、ついに止める覚悟ができました。今までためたポイントは全て交換して、アプリは削除しました。

 

6. クラシルのその後

 クラシルでも見る広告は同じようなもので、トリマを止めたときに併せて止めました。

 クラシルは他のアプリと異なり、家の近くのスーパーマーケットのチラシを表示できます。チラシを見て、さらに同じように動画の広告を見るとポイントを獲得できますがもうそうはせず、単にチラシを時々見るためだけに使うことがあります。そのため削除はしていませんが、クラシルでポイント乞食をすることはやめました。

 

7. これらサービスの謎

 これらサービスを使用していましたが、いろいろ不思議に思うことがあります。

 一つ目は、どうやって運営は黒字を出しているのかということです。運営会社からすれば余計なお世話でしょうが、広告主が支払う広告料金から広告閲覧時に支払われるポイントを引いたものと移動データの販売だけで、十分ペイできるのでしょうか。ペイできないから利用者に不利な改変、改悪が続けられたり、有料会員制度で定期収入を増やすようにしているのでしょうが、サービスが長期的に持続可能なものとは思えません。本業が別にあって、おまけ程度でやっているのかもしれませんが、謎です。

 二つ目は、広告の謎です。広告代理店を含めたネット広告の仕組みは詳しく知りませんが、なぜ不快な広告がやたら多いのでしょうか。それとも最近のネット広告は他も同様なのでしょうか。毛穴や皴を強調したり歯を拡大したり、クオリティの低い広告が多いように思いますが、なぜそういったものばかり集まるのか、広告主はなぜそんなに広告を出すことができるのか、謎です。

 

8. 最後に

 結局、かなりの時間を無駄にしてしまいました。残りの人生のうち、毎日その日が一番若いので、毎日その日が一番頭が柔らかいとも言えます。頭が柔軟で冴えているうちに、生産的なことに目いっぱい取り組んだ方がいいです。ましてMilesやトリマなんかやっても小銭を稼ぐことはできますが、長期的に見たらとんでもないマイナスです。

 スマホなんか見ていないで、花の美しさを見たり蝶の幼虫を見て宇宙を感じたり、町のごみ拾いした方がいいですよ、本当に。

 

時間を吸い込むスマートフォンの様子(ChatGPTで生成)