Minecraft の工業化MODのMekanismをプレイしていると、中盤以降、必ず水不足問題に直面することになります。水はMekanismの機械を動かすにあたって頻繁に要求されるものですが、水不足問題が顕在化するのは、(水冷式でもナトリウム冷却式でも)核分裂炉の冷却、核融合炉の冷却などで水を使うときでしょう。
この記事ではMekanismの水不足問題への対処法を掲載しています。
使用する環境は以下の通りです。
- Minecraft 本体バージョン:1.20.1
- Mekanism V10 1.20.1-10.4.9.61
- Cooking forBlockheads 1.20.1-16.0.6
- Thermal Expansion 1.20.1-11.0.1.29
- Integrated Dynamics
なぜ水が不足するのか、なぜそれが問題になるのか
Mekanismにおいて中盤以降、水不足に悩まされる理由は、水の消費量がそれまでに比べて桁違いに多く、簡単には水の生成や補給が間に合わないからです。
Mekanism の機械を使用して水を得るには、水源(1マスでも可)の上から電動ポンプを使用します(電源が必要)。Mekanism 以外のMODであれば、例えば Thermal Expansion の水生成器を2つ以上の水源に接して設置することで得られます(こちらは電源不要)。
Mekanismの電動ポンプにはスピードアップグレード(とエネルギーアップグレード)、Thermal Expansion の水生成器では統合コンポーネント(3段階)をそれぞれ使用して動作速度を上げることができます。
水から塩水を取り出すことなどができる加温蒸発プラント(Thermal Evaporation Plant)で使用する場合は、電動ポンプを使用しても大きな問題にはなりません。加温蒸発プラントは設置場所の高度やバイオーム、時間、天気にかかわらず、バルブに抵抗型発熱器を直付けして発熱器の消費電力設定を1,250FE/tickに設定することで常に最高効率になります(公式wikiも参照)が、高さ18段の最大サイズのプラント1基に対してその時必要な電動ポンプ(すべてエネルギーアップグレードとスピードアップグレードを限界まで搭載済み)は7台だったかと記憶しています。多くとも10台あれば不足はないはずですので、ポンプを並べる数もそれほど多くなく、問題にはならないのです。
問題になるのは、核分裂炉や核融合炉を運用するときです。これらを運用するとき、電動ポンプ数台では全くの無力です。数十台どころではなく、数千台の単位でポンプや水生成器を辺り一面に敷き詰めて水を搬入しますが、燃焼効率を上げるとそれでも水が足りません。効率の良いナトリウムを冷媒として利用したとしても、熱電ボイラーで熱をナトリウムから水に交換するため、水が大量に必要となります。
ポンプや機械、そして電源ケーブルやパイプを大量に設置した際に一番大きな問題となるのは、パソコンに与える負荷です。
Mekanismのパイプは、中を通るアイテムや液体、ガスが細かく描画され、見ているだけで楽しくなります。その一方で、その一つ一つを描画することは、パソコンにとっては積もり積もって大きな負荷となります。ラグのせいで動きにくくなったり、ブロックの設置や破壊ができなくなったり、チェストを開けなくなったり、放置中にいつの間にかゲームが終了してしまったり、とにかく負荷のせいでゲームプレイに支障が出て、ストレスフルなものになります。CPUやGPU、RMAなどパソコンのスペックそのものを向上させることも対策の一つですが、まずはこうした負荷の原因になりやすいブロックの使用を可能な限り避けることも重要です。
負荷の他も、大量に機械を設置することで広い土地を必要とするほか、同じ設置作業や搬出入設定を何前回も繰り返すこと自体が苦痛です。パイプに向かってシフトを押しながらコンフィギュレーターで右クリックして搬出入の設定をして移動する、を繰り返し、さらに各種アップグレードや統合コンポーネントを追加する作業を千回単位で繰り返すには、高い集中力と忍耐、ブルーライトに負けない強靭な眼が求められます。RFTools の Builder のコピーペースト機能を使って設置作業はできますが、搬出入設定は全て手動で行わないといけません。苦痛です。
対処法
共通すること
水問題を解決するには、枯渇しない水源が必要です。水源問題を解決するため、料理MODの「Cooking for Blockheads」の「Sink」というブロックを使います。
Cooking for Blockheads は本来料理MODであり、料理のためのブロックやアイテムを追加します。
追加されるブロックの一つに、Sink(台所)があります。1マスで無限水源となり、空バケツを右クリックすることで水を汲むことができます。そしてなんと、Mekanismなどの各種液体パイプを接続でき、水を搬出できます。
筆者は直接確認していませんが、内部データとしてSinkの中には21億mBの水があり、いくら吸い出しても無限水源として問題ないそうです。
あくまで料理MODの台所なので、工業化の機械や原子炉、核融合炉と全く見た目があっておらず場違い感が否めませんが、仕方ありません。
今回の記事は核分裂炉を例として紹介していますが、核融合炉に対してSinkを繋げる場合も、同じ手順です。
対処法1 Integrated Dynamics のパイプを使う
Sink から大量の水を搬出して核分裂炉や核融合炉に送り込むため、工業MOD(?)「Integrated Dynamics」のパイプを使用します。
Integrated Dynamics は変数カードにプログラムを書き込んで使うことでかなり高度で複雑な制御、倉庫管理や自動クラフトができるそうです。このようなMODによくあることですがGUIが独特で初見でであり、操作方法を理解することは難しく、また日本語の情報が少なく、とっつきにくい印象があります。しかし、パイプとして利用するだけであれば全く難しいことはありません。
必要なもの
- Cooking for Blockheads
- Sink 1つ
- Integrated Dynamics
- Logic Cable 1つ
- Fluid Interface 1つ
- Fluid Imprter 1つ
- Variable Card 1つ
設置方法および設定方法
画像のように設置してください。
Logic Cableは直接、Sinkや反応炉ポートとは繋がりません。Sinkに対してはFluid Importerを、反応炉ポート側にはFluid Interfaceを合わせて設置してください。
続いて、Fluid Importerの設定を行います。Mekanismではメカニカルパイプを繋いでコンフィギュレーターで搬出設定をすればそのまま水が流れ始めますが、Integrated Dynamics ではこれだけでは水は搬出されません。Variable Cardを使う必要があります。
クラフトした直後の、何も書き込んでいない Variable Card を、Fluid Importerに差し込みます。
Fluid Importer を右クリックすると、以下のGUIが開きます。なんだかカラフルなメニューが表示されますが気にせず、一番上の「Import All Fluids」の横に クラフトした Variable Card を挿入してください。図のように、緑色のチェックが入り、一番下のスロットに「true」と表示されていればokです。
さらに、今カードを挿入した「Import All Fluids」の右にあるプラスマークのボタンを押して、追加の設定を行います。
ボタンを押すと設定画面が表示されます。右上にある「>」のボタンを押して、設定画面のページをめくり、「Fluid Transfer Rate」の設定画面を見つけてください。
「Fluid Transfer Rate」では、指定された動作間隔ごとにどれだけの量の液体を搬出するかを指定できます。デフォルトでは「1000」、つまり1,000mBになっていますが、これを「2100000000」、つまり21億mBに変更します。これで設定は終了です。「≪」のボタンを押して戻ってください。
Variable Card はそれに対して別の機械を使って変数を書き込むことができますが、今回はその手順は不要です。
なお、Fluid Importer の最初のGUIの右上のボタンを押すと、動作間隔を変更できます。デフォルトでは1tickごとの設定になっています(つまり今回の場合は毎tick、21億mBをSinkから搬出する設定)。冷却水の搬入に問題はないが負荷が大きい場合などは変更してみてください。
対処法2 コンフィグファイルを変更する
コンフィグを変更したくない方もいらっしゃるかもしれませんが、個人的にはチートレベルの変更でない限りはコンフィグも変更していいと思っています。マルチプレイはともかく、シングルプレイで、かつ自己満足として個人で楽しむゲームですので、やりやすいように割り切っています。
この方法では、Mekanism の 「究極メカニカルパイプ」の液体汲出速度を、デフォルトの1,000倍に引き上げます。もちろん1000倍以外の数値にも変更可能です。
今回は「究極メカニカルパイプ」だけの搬出入速度を変更します。変更するのは「基本メカニカルパイプ」など他のパイプでも構いませんが、コンフィグの値をやたらに変更するのは控えたいことや、デフォルトから設定変更したものを簡単に使えるようにしたくないこと、基本→発展→精鋭→究極のランクを崩したくないことなどから、最高ランクのパイプのみ変更します。
もしノーコストでコンフィグファイルを変更することに躊躇いがある場合は、例えばパイプを使用する際に値を変更した分だけパイプを作成してそれは使用せずごみ箱に捨てて、バランスをとるのはいかがでしょうか(例えば今回の場合、メカニカルパイプを1つ使用するごとに1000個余分に作成し、1000個は使わずに捨てる)。
必要なもの
- Cooking for Blockheads
- Sink 1つ
- Mekanism
- (究極)メカニカルパイプ 1つ
コンフィグ変更手順
コンフィグフォルダから、以下のファイルをメモ帳やテキストエディタで開いてください。
config>Mekanism>tiers.toml
メカニカルパイプに関する設定項目があります。
[tier]
(中略)
#Transmitters
[tier.transmitters](中略)
#Mechanical Pipes
[tier.transmitters.fluid]#Capacity of Ultimate mechanical pipes in mB.
#Range: > 1
ultimateCapacity = 512000(中略)
#Pump rate of Ultimate mechanical pipes in mB/t.
#Range: > 1
ultimatePullAmount = 64000(変更前)
ultimateCapacity がパイプ自体の容量、ultimatePullAmount が搬出速度です。今回は搬出速度を1千倍、ゼロを3つ追加して、「64000000」にします。以下は変更後です。
#Pump rate of Ultimate mechanical pipes in mB/t.
#Range: > 1
ultimatePullAmount = 64000000(変更後)
変更したら上書き保存してファイルを閉じます。
設置方法
Sinkと核分裂炉を、究極メカニカルパイプのポートに直付けするだけです。
核燃料の燃焼効率によっては、Sinkに対して一つのメカニカルパイプでは冷却用の水の搬入が追い付かない場合があります。その場合はコンフィグファイルを再度変更するか、Sinkに接続するパイプを増やす、もしくはSinkの設置台数を増やして対応しましょう。ただし数十台も設置する必要はないはずです。とにかく設置するパイプは少なくすることで、負荷も最小限に抑えられます。
復水について
Sinkを利用して水を大量に搬入すれば、復水を利用する必要はありません。復水用のパイプも設置不要です。
Mekanismの蒸気タービンを設置する際に飽和凝縮器を組み込むと、発電後に蒸気を水に戻して回収することができます。この水はまた核分裂炉や核融合炉、熱電ボイラーで冷媒として使用して、水を循環させることができます。
復水として得られる水の量は飽和凝縮器の設置数とそれに接続されたパイプの容量に依るらしいのですが、まじめに回収しようとするとまたパイプを大量に設置することになります。
Mekanism側はこの復水をうまく利用して、ポンプを利用した外部からの水の補給を最低限にできるようにと考慮されているのかもしれませんが、パイプを設置するので負荷の原因になります。
今回紹介したどちらの方法でも、核融合炉については復水を利用することなく燃焼効率最大の98での運用が可能です。なお、核分裂炉は水冷却やナトリウム冷却でも限界があります(後述)。
どうしても冷却が間に合わない場合
核分裂炉は冷媒がない状態(空焚き状態)でも反応を停止しないと、高温になり本体にダメージが蓄積し、メルトダウンが発生、放射能汚染が発生します。これを防止するには冷媒が無くならないように留意するほか、レッドストーンアダプターを利用して熱暴走を回避するべきです。
しかし、冷媒として水や、水よりも効率の高いナトリウムを利用していても、冷却が間に合わない場合があります。具体的には、最大サイズの原子炉(18x18x18)の場合、ナトリウム冷媒を用いても燃焼効率1,430mB/tick程度が限界のようです(アドオンなしの場合)。執筆時点での最新バージョンでは、これ以上燃焼効率を上げると、どうやっても安定して運用することは不可能なようです。
どれだけ多く冷媒を搬入しても冷却が間に合わない場合は、燃焼効率を下げてください。
なお、核融合炉は冷媒がない状態で運用しても、ダメージが蓄積して爆発・崩壊することはありません。